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トワイライト・ファントム9 ~禁戒の呪術~

ザントの過去を割と真剣に考えて、
鬼のように捏造した小説っぽい文章の9話目です。
詳しくは、「トワイライト・ファントム0」をご覧ください。

もしご興味があって時間に余裕があればどうぞ。

◆はじめに
・ザント一人称
・物語はミドナが幼い時代からスタート。
 ザントも若くて、いくらかまとも。
・基本ザンミド意識の展開


◆ざっくりあらすじ
ザント(呪いの腕輪つき)が捕らえられてる場所が暗くてしんどいミドナに会いたい

トワイライト・ファントム9
~禁戒の呪術~


あああああ……

嫌だ嫌だ

吐き気がする

暗い、暗い、暗い……。




暗闇が支配する部屋。


どこを見ても黒。


インクの海。


使い古され粘ついた、漆黒の油。


不安定な自我。


自分の姿を忘れてしまいそうだ。


暗がりにうっすら浮かぶ私の腕は、本当に自分のものだろうか

だとか

いずれこの闇と一体化してしまうのではないだろうか

だとか

そのような物狂めいた疑問までよぎる始末。


あぁ、不安と恐怖ばかりが私を追い回す。


……何ということ……





黒の塔の頂上。
冷たい室内で、私は無気力に横たわっていた。


小さな窓から差し込む、淡く頼りない黄昏の光。
わずかでも光が見えるその場所が、私の定位置になっていた。

相変わらず部屋を照らす力は皆無だが、無いよりはましだ。

唯一の光。
黒の塔で心の休まる数少ない要素。


絶望だけの日常は今日で3日を迎える。

己を嘆き、失うことに焦燥し、理不尽を恨み、不条理に怒り、誰かを疑うことを繰り返し、暗闇に怯え続ける。


それが自分にとって何の利益もない事は解っている。
しかし、それぐらいしかする事がない。


堕ちたものだ。


本を読むことも魔術を研究することもなく、人と運命を恨むことに明け暮れるなど……。

生産性のない、
人として欠落した時間……。


しかしもう限界だ。
それすらままならないのだ。


いよいよ自覚した。
この塔にくる前より、魔力が減っている。
確実に減っている。

腕に刻まれた影の紋様、その色に微弱ながら陰りが見えるのだ。

影の紋様は魔力の通り道。
魔力は常にこの道を走り、循環している。
それが薄れるという事は、魔力が減ったという何よりの証…


あぁ。
私の尊い魔力は忌々しい呪いの腕輪によって、四六時中少しずつ吸い取られている。


わかってはいたが……先ゆく不安が霞のようにまとわりつく。


魔力が尽きた時に訪れる、私の末路は……


……


いや
それだけはいけない


魔力さえ、魔力さえあれば、何とかなるのだ。
こんな所にいようと魔力があれば、どうとでもなる。



このままでいいはずがない。
何とかしなければ。



そう思った私がまず辿り着いた答えは、全ての元凶である腕輪を外すことだった。

物理的に破壊するのは無理だろう。
外すには、この腕輪を私に従わせるしかない。

方法は知っている。
非常にシンプルだ。


腕輪を身につけたまま誰かを殺害し、私の力を知らしめてやるのだ。


……
当然だが、殺生を起こす気はない。
そこまで堕ちてなるものか。


……
そうだな。
理屈から言えば、自害でもすれば腕輪は私の物になるだろう。


現実的な案ではない。


従わせるのが不可能なら、別の方法を考えなければ。


別の方法。


厄介な腕輪をどうにかするのではなく、私自身がどうにかなればいい。

魔力を解放し、魔術を使えばいいのだ。

魔術さえ使えればこの窮地を脱する方法は無限に思いつく。


問題は魔力を解放したと同時に、全て腕輪に吸い取られてしまうこと。


逆に考えれば、
腕輪に吸い取られないよう魔力を解放すればいいのだ。



それは『理論上』可能。



シャドウリングは魔力を持った特殊な石でできている。
魔力のあるものには必ず影の紋様が刻まれており、この腕輪も例外ではない。
 

紋様は魔力の通り道……。

であれば、私の中に流れる魔力を上手くコントロールし、腕輪の持つ紋様に流し込めばいい。

それだけだ。

水路を流れる水のように、私の魔力はシャドウリングを流れるだろう。

魔力は出口に到達し解放される。
そうすればその魔力で、晴れて魔術を使えるようになる……
のだが。


あくまで理論上可能、という話。


出口までたどり着く魔力は恐らく微々たるものだろう。

腕輪を破壊するにしろ、この塔から脱出するにしろ、かなりの魔力が必要になる。

取るに足らない魔力では、ろくな魔術は使えない。

無駄に魔力を消費するだけだ。

これでは何の意味もない。

魔力の減少は食い止められない……。


あぁぁ……
なんということ……


この私に……
ただただ魔力を衰えさせ……
底つきる日を待てというのか……

この……私に……!



あぁぁぁぁあっ!!嫌だ!!
嫌だ嫌だ!!
私の魔力が減っていくなど…!
私が魔力を失うなど…!!

忌々しい!!!
この腕輪め!!!

くそ……!くそ……っ

嫌だ……っ

やめろ……っ

魔力は……

魔力は私の全てなのだ……


私が私である為の……

……ミドナ様の為の……



あぁああ……


魔力が…………

魔力が……

魔力が

魔力が

魔力が

魔力が

魔力が

魔力が

欲しい……




絶望に喘いだその時。
闇に沈む視界の端で、何かが動いた。

「……?」

部屋の隅に何かいるようだ。
微々たる魔力と気配を感じる。

一体……?

私は体を起こし、『何か』の気配がする方を凝視した。

光が飲み込まれていくその先に、四足歩行のかなり小柄な生物……のようなものが見えた。
身体に刻まれている糸のように細い影の紋様が、かすかに輝きを放っている。
赤い目玉はぎらぎらと光り、小さな鼻をひくつかせ辺りを機敏に動き回っていた。

あれは……


「…ネズミ……」


気配の正体はネズミで間違いない。
薄汚い、隅に生きるもの…。

ネズミ……

ネズミ……?



つい最近どこかで見たな……

何だったか……

……

……ああそうだ


本で見た。


ミドナ様に教える最後の禁術の授業

その準備をしていた時

生物図鑑を読んで

それに載っていた。


普段は生物図鑑に目を通すことなど無いのだが、その禁術の練習には魔力を持つ生物が必要だった。


何故なら最後の禁術は…




あぁ。
そうか…


私はおもむろに立ち上がり、ぬかるみを歩くように慎重な足取りでネズミに近づいた。
ネズミは逃げない。


何故今まで気づかなかったのだろう。
あったではないか。
最も有効な、腕輪に対抗する術が。


そう。


禁術。


禁術を使うのだ。


このネズミに。


私の知る最後の禁術を。


『魔力を奪う』禁術を。



そう、そうだ、
あぁ何故気づかなかったのだろう。

魔力を

奪えばいいのだ。



魔力を奪う禁術は、魔術ではなく『呪術』。

呪術は相手に負荷をかけることしか使い道のない、他の禁術とは比較にならないほど危険で、非情で、恐ろしく残忍な、禁じられた呪いの術。


呪いにかかった相手は、私に少しずつ魔力を差し出さなければならない。
自覚もなしに、どんなに離れていようと関係なく。


呪術は危険だが、使用方法は想像以上に簡単だ。
相手に魔力を注ぎ込み、私の魔の力を侵食させればいい。

量は少しでいいのだ。
そう、腕輪から解放できるわずかな魔力でも十分まかなう。


ネズミの魔力を奪えばいい……


魔力を使い生きる者にとって、それを奪われることがどれだけ辛いか。

腕輪がついた私も今まさに、身を持って理解している。


だがどうでもいい。
相手はただのネズミ。


私に比べればゴミのような量の魔力だろうが、吸い取られる分の埋め合わせくらいにはなるだろう。

このような下等生物の体を流れて終わるより、私の物になった方がよっぽど有意義のはずだ。



減らされるなら……足せばいい……

……
これなら……

黒の塔とシャドウリングにいくら束縛されようと…
耐え抜くことができる…


奪われるなら、奪えばいい……


あああ……

魔力

魔力が欲しい……

魔力が足りない……

魔力がほしい…!

魔力…!魔力…!魔力…!魔力…!!


奪われるなら、奪えばいい……!


魔力を…!!!!









我ながら見事。
全て想定通り。

ネズミの魔力を奪うことに成功した私。


腕輪にいくら奪われようと、私も同じだけ奪えばいい。


禁術は使い方次第で救いの力になる。

私の持論は間違っていなかったのだ。




ただ




呪術を使うのは初めてだった。




だから、知らなかった。




禁じられた魔術の中でも、呪術は総じて危険で、非情で、残忍である。

その恐ろしく危険で、恐ろしく簡単な呪いの術を、リスクなく使えるはずがない。


よく考えればわかること。


だが私は、私としたことが、どういうわけか、想像すらしていなかった。


呪いという道を外れた術を使った者がどうなるのかなど。

欲求を中途半端に満たした者がどうなるのかなど。



想像していなかった。



地獄のような魔力の渇きと飢えに、苦しむなど。






ていうね(白目)
大変だザント。
頑張れザント。

前回更新してから随分と間があいてしまったのですが、
決してザンミド熱が冷めたとかめんどくさくなったとかではないのですよ。
死ぬほど書き直していたからなのですよ()

セリフを考えるのは大好きなのですが、
今話し相手がいないでしょう。

某有名漫画家の手法で、
新キャラが出るときはなるべく二人以上同時に出す、
何故ならそのキャラ同士で会話させるだけであらゆる状況説明が成立するから
というものがありまして、本当その通りだなと思ってます。

今苦労してるのは話し相手がいないからなのですという言い訳。
一人称進行なのでなおさら。

ザントがぶつぶつ解説してるシーンを延々と書き続ける虚しさ!!!!!!
何が悲しくてザントの独り言を書き連ねなければならないのか!!!!!!!!!!!!
自分で自分の首絞めてるだけですがo(^-^o)(o^-^)o
あぁ~~~
会話が書きたい。
というわけでそろそろ話し相手がほしいものです。

そして相変わらずザンミド要素もあまりないので、
それを目当てに来てくださった方には申し訳ないのですが、
こういうのがまだ続いてしまいます。
ごめんよ。

◆勝手に出した用語や設定の解説
・影の紋様その2
影の世界のあちこちにある緑色の幾何学的な紋様のことです。
ミドナの腕やザントの額にもあるあれに私が勝手に名前をつけたもの。
紋様は魔力が特に集中している場所を示しており、
要するに魔力の通り道になっている、という設定。
そうするとミドナは右のふ、ふとももにもたくさん魔力が集まっていることになるのですが、
ま、魔性のふとももってことで……()


・呪術
呪いです。
魔術と呪術は少し違います。
魔術はありとあらゆる使い道があります。
対する呪術は種類こそ色々あれど、
使い道は相手に何かしらの負荷をかける、それだけになります。
発動法も少し違っており、
魔術は魔力を使い、呪術は魔力を注ぎます。
相手に自分の魔力を侵食させれば勝ち。
トワプリ本編でリンクは水の神殿クリア後、
ザントに獣リンクを固定化されてしまいました。
あの時リンクの額に魔力の結晶のようなものが埋め込まれましたが、
あれがまさに呪術、呪いです。
という風に辻褄を会わせる。


・最後の禁術
ザントが最後にミドナに教えようとしていた禁術です。
その正体は『魔力を奪う呪術』。
禁術の授業が中止になったので、教えることはありませんでした。
魔力を奪うというのはあれです。
将来使うことになるあれです。


ザントがだらだら説明したり
ギャーギャー騒いだりしてるばっかりの展開で申し訳ありません。

申し訳ないのでみなさんザンミド書いてくださいほんとにお願いいたします(祈願)


トワイライト・ファントム0
トワイライト・ファントム1 〜黄昏の小さな姫君〜
トワイライト・ファントム2 〜隠者の庭〜
トワイライト・ファントム3 〜聖者〜
トワイライト・ファントム4 〜潜思〜
トワイライト・ファントム5 〜黄昏の哀歌〜
トワイライト・ファントム6 〜忠誠と反故〜
トワイライト・ファントム6.5 〜後ろ影〜

トワイライト・ファントム7 〜影と静寂の中で〜
トワイライト・ファントム8 〜塔と腕輪〜
トワイライト・ファントム9 〜禁戒の呪術〜※ここです
トワイライト・ファントム10 〜光〜
トワイライト・ファントム11 〜黒の賢者〜
トワイライト・ファントム12 〜残された者たち〜
トワイライト・ファントム12.5 〜蝶むすび〜

トワイライト・ファントム13 〜再会〜


◆タグ一覧
/トワイライト・ファントム

拍手

5 Comment

無題

9有り難うございます!!
全部読ませていただきました。
特にザントの「魔力…!魔力…!魔力…!魔力…!」ってところがザントっぽかったwww
Re:無題
  • おゆ
  • (2015/11/15 02:52)
コメントありがとうございます!
説明ばかりで自分でもうんざりしてしまうのですが
根気よく読んでいただきありがとうございます><
少しずつ本来のザントっぽさを出していければと思っております^w^

無題

おおおおお!やっと9きましたか!
んん~、そろそろザントっぽくなってきましたね…。なんかどんどん欲望にまみれていくのを見てると楽しいですね(?)

質問ですがミドナはいつ頃でてきますか?
Re:無題
  • おゆ
  • (2015/11/15 02:57)
コメントありがとうございます!!
遅くなってしまいすみません;ようやく9です。
少しずつ本来のザントっぽさに近づけていきたいと思っています。
私も書いてて楽しいです^w^

そうですよね、いい加減ミドナ出てきてほしいですよね。
うう、生身のミドナが出てくるのは、
残念ながらもうちょっとだけ先になります。
ただもう少しザンミド寄りな展開を次回10で書く予定です。
テンポよく進めたいところです。申し訳ないです。。

無題

待ってましたよ〜!!!
ネズミから魔力を取る!なんて斬新です✨
ザントちゃん、悪者っぽくなってきましたね〜\(//∇//)\
Re:無題
  • おゆ
  • (2015/11/15 03:02)
コメントありがとうございます!
10、遅くなってしまいすみません。。;;
ちょっとずつ本来の悪い感じのザントに寄せていきたいです!(*^^*)
他人(ネズミですが)から魔力を奪うという行動は将来に関わるので
どうしても入れたかった部分なのです〜

無題

9を読ませていただきました。
やっと悪役らしいザントさん出てきましたね!
なんか次の展開が予想外でいいです♪
ミドナちゃんかなり出てきてないけど、ザントさん待ってるんじゃ…。
そういえばこの小説めっちゃ続いてますよね。
記念すべき10期待してます!
長文すみません
Re:無題
  • おゆ
  • (2015/11/15 03:18)
コメントありがとうございます!
ちょっとずつ本来の悪ザントに寄せていきたいと思っています!

ミドナ全く出てこないですね、申し訳ないです;
ザントが一人でぎゃーぎゃーしてる頃ミドナはどうしているのやら。。
それについてももうちょっとだけ後になりますが
書きたいと思っています。

気づけばもう次は10ですね。
もうちょっとテンポよくいければいいのですが。。
ここまでお付き合いくださりありがとうございます!
もう少しがんばります^w^

無題

ネズミから魔力を取るほど、ザントもよほど追い詰められてきている(?)んですかねえ…
そして、昨日やっとトワプリ買いました!!
今はミドナに会ったばかりのトコロです♪やっぱりミドナ可愛いすぎる(≧∇≦)
早くザントにも会いたいです!

Re:無題
  • おゆ
  • (2016/03/30 13:40)
コメントありがとうございます!
ですねぇ、だいぶ切羽詰まっておりますね。頑張れザント。
そしてトワプリ購入おめでとうございます!
ミドナ可愛すぎますよね。。。ゲーム史に残るレベルの精錬されたキャラデザ&グラフィック
ミドナの可愛さを堪能してくださいませ><
そしてザントにも早く会えるといいですね!
ザントも最高に素晴らしいので楽しみにしていてください……!!

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