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トワイライト・ファントム1 ~黄昏の小さな姫君~ 

ザントの過去を割と真剣に考えて、
鬼のように捏造した小説っぽい文章です。
詳しくは、「トワイライト・ファントム0」をご覧ください。

もしご興味があって時間に余裕があればどうぞ。
※なんとなく挿絵を追加しました

◆はじめに
・ザント一人称
・物語はミドナが幼い時代からスタート。
 ザントも若くて、いくらかまとも。
・基本ザンミド意識の展開

トワイライト・ファントム1
~黄昏の小さな姫君~ 


『ミドナ様ー!』

『ミドナ様どこですかー!』

会議が終わり外へ出てみれば、これはどうしたことだ。
宮殿内が騒がしい。

家臣の者たちが一人残らず『ミドナ様』『ミドナ様』とわめきちらし、必死にあたりを駆け回っている。

同じく会議から解放された他の者達も、この状況について事情聴取を始めた。


そんな事をするまでもなく、だいたい察しはつく。
ミドナ様失踪、だろう。
…今日にこしたことではない。



大広間に影の王が見えた。
ミドナ様の父親である我らが王は、呆れた表情で大臣達に捜索指示を出されている。
しかし王のご様子には焦りも垣間見られ、やはり相当心配なさっているようだ。


この分だと、ミドナ様が見つかるまでまだまだ時間がかかりそうだな。
すると…この展開は…。


私は嫌な予感がしたので、この混乱にまぎれて自室に戻ろうとした。
…のだが。

「ザント!そこにいたか」

「う」

王自ら、私にお声がかかった。
王は安堵の面持ちで歩み寄られる。

「は…会議をしていたもので」

「君に頼みがあるのだが」

あぁ…仕事が山のように残っているのに…。

「ミドナがまたいなくなってな、悪いが見つけてきてくれないか」

「…は」

王にそう『命令』された私は、足取り重く宮殿の出口へ向かった。

大臣達のニヤニヤとした視線が突き刺さる。
やっかいごとを押し付けることができ、さぞかしご満悦のことだろう。


…今に見ていろ…。



ーーミドナ様。
黄昏の姫君。
まだ年端もいかない子供。
燃えるような橙色の髪に、宝石のような赤い瞳。
可愛らしいと民たちからは専らの評判だが、それはミドナ様に仕えていないから言えることだろう。

ミドナ様は実際のところ、男勝りでやたらと活発、上品な振る舞いは皆無で少年のように宮殿内を駆け回り、勉強は時間通りに席に着いたこともなく、食事は好きなものだけ口をつけ、食べ終わる前に遊びに飛び出し、1日1回は必ず宮殿内のどこかの扉に鍵をかけて混乱を起こすとんでもない暴君。
とにかく周りの大人を引っ掻き回すのがお好きなようで、今回のような失踪事件もしょっちゅう起こす。

その度、ミドナ様を見つけるのに長けた人物…この私が駆り出されるのだ。
これはいつの間にか、私の役目のようになっていた。


はぁ…。
さっさと見つけて戻ろう。


私は宮殿の外へ出た。

相変わらず空は黄昏に染まっている。
薄暗い影の世界を照らす、淡い輝き。
とても美しいがあまり見ていると、心が締め付けられるような物悲しい気持ちになってくる…。
私は目を伏せた。

ーーミドナ様の居る場所はだいたい見当がつく。

宮殿の外には広場がいくつかある。
今も数名、外を探索している者が見えるが、私はひと気の無い一番小さな広場へ足を運んだ。

魔力を使い、固く閉ざされた広場の門を開く。
冷たい石の床と、凍るような漆黒のフェンスに囲まれた空間。
そこには誰もいなかった。

そもそもこの広場には何もない。
昔は魔法陣などを使って何かしていたようだが、今は全く使われていない。
死角が生じるような台座があるわけでもなく、隠れることなど不可能な場所なのだ。

家臣達も馬鹿ではない。
こんなところはすでに確認済みのはず。
誰もいないので門を閉め、宮殿内の捜索に力を入れているのだろう。

しかしミドナ様はここにいる。
確信があった。

「…」

私は右腕を前に突き出し、空間を摘まむ。
一見何もないようだが、その空中には『ほころび』があったのだ。
そのままぺりぺりとはがすように、摘まんだ指をゆっくり動かす。

そうら。

「やはりここでしたか」

「!!」

はがされた空間から、膝を抱えて座り込んだミドナ様が現れた。
ザンミドのむかしむかし
ミドナ様は影の魔力で見えない壁を作り、その中に身を置くことで完全に姿を隠していたのだ。
とても高度な結界の一つ。

普通なら気づかれることはない。
しかしミドナ様の魔力にはクセがあり、私はそれを感知して特定することができる。
誰にも明かしていないが、ミドナ様を見つけるのに長けている理由だ。

結界を破られたミドナ様は目を見開き驚いていたが、すぐに私を睨み返し、悪態をついた。

「ふん!またオマエか!」

「…私で悪かったですね」

すでに幾度となく第一発見者となっているため、どうも飽きられているらしい。

「くそっ、今度は絶対見つからないと思ったのにな」

「いえ、今日は少し分かりづらかったですよ。上手くなられました」

「!…ん、そうか」

それを聞いたミドナ様は満更でもなさそうだ。

実際、いつもより難しかった。
いくら私が優れた力を持っているとはいえ、壁を一枚隔てた先に身を置かれては、特定するのに少々苦労を強いられる。

まさかこの年齢で、これだけ高度な結界を張ることができるとは…。

まぁ…この結界自体はつい先日、私が教えたものだが。



ーー私はミドナ様の魔術教育係を任されている。
物体移動といった簡易なものからこのような高度な結界まで、あらゆる魔術を学ばせるのだ。

私の優れた技術と豊富な知識、そして宮殿内でも、いや影の一族の中でもずば抜けて高く強力で卓越した魔力を買われ、大臣達の推薦によりこの役目を与えられた。

…正直、手を焼いている姫の世話を押しつけられただけのような気がしないこともない。

しかしミドナ様は生まれつき、かなりの高い魔力と潜在能力を持っている。
本人も他の授業は逃げ出したりサボったりしているが、 魔術に関してだけは非常に積極的で覚えが早い。
割と教え甲斐のある生徒だ。

それはさて置き。

「王も大臣達もたいへん心配されております。さぁ、戻りましょう」

こちらが本題だ。
早く戻ってもらわないと色々と困る。

しかしミドナ様はこれが答えだと言わんばかりに、不愉快そうに眉間に皺を寄せた。

「一人で戻れよ、ワタシは行かないからな」

「いえ、ミドナ様も戻るんです」

「なんだよ、お父様に頼まれたのか?オマエもアイツの言いなりか」

「王を…いえご自分の父親を『アイツ』だなんて呼ぶものではありません。言葉をお選びください」

「うるさいぞオマエのくせに!あほ!とにかくワタシは絶対戻らないからな!!」

あ、あほ…

ミドナ様は立ち上がると、近くのフェンスに寄り添い、腕をしっかり巻き付けた。
よほど戻りたくないらしい。

「なんだよ…みんなアイツの味方しやがって」

小さく呟いたその言葉を、私は聞き逃さなかった。

「…王と喧嘩でもされましたか」 

「!!!」

動揺している。
恐らく図星なのだろう。

今回はいたずらに失踪したわけではなく、何をしでかしたか知らないが、叱られて癇癪を起こして飛び出したケースらしい。 

あぁ、壮大な親子喧嘩に巻き込まれた哀れな私…。

「…うるさいぞザント。」

「ミドナ様」

「とっとと帰れよ!」

「ミドナ様」

「それか、ここにいろ!!」

「ミドナさ…え?」

???
ここにいろ?

「一人で戻るか、ここにいろ」

…どうも、二人で戻るという選択肢はないらしい…。


あぁ、私にはまだ仕事がたくさん残っているというのに。

「では」

私はおもむろにフェンスに近づき、ミドナ様の隣に立った。

「ここにいることにします」

「! ふーん。そう!」

私はこの小さな姫君を無理矢理連れて帰ることも、独り置いて帰ることも、できなかったのだ。

ミドナ様は少しだけ、嬉しそうな顔をした。



いつもこの笑顔ならいいのに。


ミドナ様の表情を見て、そして部屋に残った大量の書類のことを思い出して、私はため息をついた。



ていうね(白目)
とりあえず、ザントとミドナが
会話してるところが書ければ嬉しいのであった。
ザントがあんまり残念な雰囲気ではないのでパンチが足りないかも。
ごめんよ。

この物語を捏造していくにあたり、
Twitterフォロワー様方のツイートに
インスピレーションを受けている描写や設定がところどころあります。
この場で言うのも何ですが、ありがとうございます><
特にザントがミドナの教育係というのは、まさにそれです。
何故そういうポジションなのかは、次回になるかと思います。

プロット落としてるだけのような雑さではありますが、
なるべく早めに更新していきたいです。
勢いがある時にやらないと、
冷静になった途端書けなくなるのです…昔から\(^o^)/オギャス
そしてあなたもザントとかザンミドとかを描こう(必死)

トワイライト・ファントム0
トワイライト・ファントム1 〜黄昏の小さな姫君〜※ここです
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/トワイライト・ファントム

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