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トワイライト・ファントム6.5 ~後ろ影~

ザントの過去を割と真剣に考えて、
鬼のように捏造した小説っぽい文章の6.5話目です。
詳しくは、「トワイライト・ファントム0」をご覧ください。

もしご興味があって時間に余裕があればどうぞ。


◆はじめに
・ザントではなく、ミドナ視点の回
・物語はミドナが幼い時代からスタート。
 ザントも若くて、いくらかまとも。
・基本ザンミド意識の展開


◆三行あらすじ
ザントに注目が集まる!
ザントにライバルぽいのが現る!
ザントとミドナに溝が生じる!

トワイライト・ファントム6.5
~後ろ影~



アイツは泣いてた。


ワタシの隣で。


同じくらいの年の男の子を泣かせたことは何回もあるけど、ワタシよりずっと年上の男が泣いてるのは始めて見た。


一族に迫ってる危機とか、禁術のこととか話してくれたザントは、とても悲しそうに泣いてたんだ。


アイツ、色々考えてるんだな。


だけど何でアイツ、今まで誰にも話さなかったんだろ。
友達いなそうだもんなー。

なんて思ったけど…

ワタシもお父様やニコルにこの事を話そうかなって考えた時、何て言えばいいかわかんなくて、結局誰にも話さなかった。


きっとザントもそうだったんだろうな。
だから一人で抱え込んでたんだ。



…なんか、ワタシにできることないかな…


なんてまぁその、色々考えたけど、しょーじき全然思いつかなかった。

ザントの禁術が一族を守るためのものなら、ワタシはそれをマスターすればいーのかな。
だけどそれじゃあこれまでと一緒だ。

だからワタシはとりあえず、アイツがやってることをマネしてみようと思ったんだ。



——アイツはいつも本を読んでいた。

どんな時でも一冊は本を抱えてて、座って読んだり立って読んだり、歩きながら読んだりしてた。
ちょっと目を離したスキに、アイツはたいていページをめくってるんだ。

ワタシが宮殿の書庫で遊んでた時、アイツが一人で黙々と本を読んでるのを見かけたことがある。
机に重ねたたくさんの本に囲まれながら、瞬きもろくにしないで没頭してる。

からかってやろ。
ワタシは本棚の本を片っ端からぶん投げてやったり、アイツが積み上げた本の山を崩してやったりした。

困るだろーな!
と思ったけど、ザントは澄まし顔のまんま、ぜーんぶ魔術で防いで元通りにしちゃうから、面白くなくてやめたっけ…——



ワタシも本を読んでみた。
テキトーに本棚から一冊引っ張り出して、表紙を開いてみたはいいけれど…
字が小さい!字が多い!絵はないし!つまんなそう!気持ち悪ぃなぁ!

知らない言葉だらけで、思わず顔を背けちゃったもんな。
全然読めないからその本は諦めた。

その後もワタシは本を出して、開いて、諦めて、次の本を出して…を繰り返してた。

死ぬまでかかりそうだ…。
そんな風に思った頃、ようやくちょっとは読めそうな本を見つけたから、とりあえず一冊眺めてみた。

途中で3回くらい寝そうになった。
だけど、何とか最後まで読み切ったんだ。
やってやったぜ!

…内容はわかんなかったけど。



——アイツはよく魔術の研究をしていた。

宮殿の隅の方にある広場で、こそこそやってるのをよく見かけた。
ワタシも知ってるカンタンな魔術から見たことないハデな魔術まで、ザントは色々な魔術を使ってた。
色々やって、羊皮紙に何か書いて、また色々やって。

マジメにやってるヤツほどからかい甲斐があるんだよな、ワタシはたまーにちょっかい出してやるんだ。

ちっさい花火のオモチャを、隠れたところからアイツに向かって投げてやる。
アイツの目の前で花火が爆発して、赤とか青とか黄色とか、たくさんの光がビュンビュン飛んだ。
ザントのヤツ、ぎょっとした顔するからおかしくて。

びっくりしただろーな!
と思ったけど、その後すぐ『新しい発見だ』とか言って考え込んでたから、やっぱり面白くなくて帰ったんだよなぁ…——



ワタシも魔術を研究してみることにした…んだけど、研究って何すればいいんだろうなぁ。

よくわかんないからとりあえず物体移動の魔術を使ってみた。
転がってた石に手をかざして、右から左に、動け!
石がちょっとだけ動いたから、何となくその距離を測って羊皮紙にメモした。

1メートル、と…。

もう一回やってみたら、やっぱり1メートル。
次も1メートル。

たった1メートル!!

アイツはもっと自由自在に動かしてたハズだ。
もう少し長く動かせないのかな。
ワタシは地べたに座り込んで、石をじーっと睨みつけて考え込んだ。

それもすぐに飽きたから、頭より体を動かそうと思ってワタシは立ち上がった。
その時、睨んでた石も一緒にふわーって浮かんだんだ。

ワタシが右を向くと石も右に動いて、左を向いたら左に付いてくる。
石はすぐに落っこちたけど、ワタシはワクワクした。
こういう物体移動の仕方もあるんだな!

さっきのことを忘れないようにメモして、何回も何回も練習したんだ。
何となく研究っぽいな!
なんて思って、ワタシは一人で頷いた。



——あとアイツは…


いつも一人でいたな。


宮殿を出た一番端っこの方にある崖の上で、アイツはよく一人でいた。
考え事してるんだろうな。
座ったまま動かなくて、遠くの空を見つめてるんだ。

ほんと、考えてばっかでよく飽きないよな。
さすがにイタズラする気もおきなかった。
つまんないのが丸わかりだったからな。


…大臣の息子と遊んで、ハデにケンカして、えらい怒られたことがあった。
ワタシは悪くないのにさ。
ちょっと殴ったくらいで大袈裟に泣きやがって!
言いつけるなんてあのヒキョー者め!
泣き虫野郎!

怒られてムカムカしてたワタシは、崖の上まで行ってそこに座り込んだ。
ちょっと離れた所に、考え事してるザントがいるのを知りながら。

ザントはワタシに気づくと、少しだけ頭を下げた。
不機嫌そうに睨み返したら、苦笑いしてたな。
しばらくワタシ達は何も話さずにいた。

ほんとはさ、「どうしたんですかー」とか「何かあったんですかー」とか言って欲しかったんだ。
アイツそういうこと聞いてくれないんだよ。
ニコルと大違いだ。
ほんとオンナゴコロがわかんない奴だぜ。
聞けよ!事情を!何やってんだよ!
ワタシはイライラしてた。


だけど


そんなワタシの目の前に、突然黒いチョウチョが飛んできたんだ。

珍しいなぁ、何でこんなところに。

顔を上げてみたら、黒いチョウチョは一匹や二匹じゃなかった。
すっごいたくさん飛んでたんだ。

黒い羽は少し透明で、黄昏の光を透かしてキラキラしてた。
それがたくさんいるんだ。
すごく綺麗だった。
いつもと変わらない空に、今まで見たことない色が合わさって、すごく特別な景色を見ている感じがした。

「すげ…」

つい見とれちゃった。

ザントも気づいてるかな?

そう思ってアイツの方見たら…


チョウチョはザントの手元から次々に飛び立っていたんだ。 


ザントの左手には影のもやもやがあって、右手ですくってばらまくと、それがチョウチョに変わってくんだ。

チョウチョはザントが魔術で作った幻影だった。

ワタシはこの幻影に夢中になっちゃって、ワタシもやりたいって思って。
気づけばアイツの隣に座って、やり方を教えてもらってた…——



アイツ…基本的につまらないし、気が利かないし、変なヤツなんだけど…
一緒にいて、なんだかすごく心地がいいんだ。
ザントの隣にいるのは、悪い気はしないんだ…。



ワタシは今度こそ一人で、崖の上に座り込んだ。
黄昏の黒雲が今日も綺麗だ。

ワタシはあの時教えてもらった幻影を出してみた。
黒く光るチョウチョを一匹。
チョウチョはゆらゆら羽ばたいて、すぐに霧みたいに消えていった。
黄昏の中に消えていく幻影のチョウチョは、何だかとても寂しい感じがした。

幻影はいつまでも存在できないんだって。

ザントは私の隣でたくさんのチョウチョを、長い時間飛ばしてた。
ワタシのチョウチョは一匹だけ、しかもちょっとしかいられない。

『そのうちミドナ様も長く出せるようになりますよ』なんて言ってたけど…
ワタシは悔しかった。


いっつもアイツは前にいる。
アイツはワタシよりずっと前を歩いてる。
ずっと一人で歩いてる…


アイツはいつも一人でいるんだ…


ワタシはアイツの隣に座っているのに、全然、並んでなんかいないんだ…



なんか…



アイツ、このまま一人でどっか行っちゃうんじゃないかって思って…

何だか怖かった。

だからワタシはちょっとでも近づこうと思って、並んで座りたいって思って、ザントの力になりたいって思って、頑張ったんだ。


だから…


『禁術の授業はできません』


アイツがああ言った時、ワタシは腹が立ったんだ…。
また一人で歩こうとしてると思って…
何かすごいムカついたんだ。


ううん、それだけじゃなくて…


ワタシはザントに、
ちょっと、
誉めて欲しかったんだ。


ザントが頑張ってるから、ワタシも頑張ったんだぜって話そうと思ってたんだ…

本を読んだり、魔術の研究したり、練習したり。
他の授業だって前よりマジメに受けるようにしたんだぜ。
居眠りも3回に1回から5回に1回に減ったんだ。 

『よく頑張りましたねミドナ様、これからも一緒に頑張りましょう』
そんな風に言ってもらいたかったんだ。

ザントに、ワタシの気持ちに気づいて欲しかったんだ。
アイツの力になりたいって思ってること…。
一人で抱え込むことないってこと…。


ザントと並んで歩きたいってこと。





「ザントは?」


中止になった禁術の授業から3日後。
その日の影の魔術の授業に、アイツは来なかった。

遅刻なんてしたことなかったのに。
もしかして、この間のこと、気にしてんのかな…

変に思って家臣のみんなに聞いて回ったけど、誰も知らないって言うんだ。
お父様に聞いたら、大臣に確認してみるって言ってくれた。

だけどワタシはじっとしていられなくて、アイツが居そうな所を全部回った。

アイツが好きな書庫の席、
アイツが好きな隅の広場、
アイツが好きな崖の上。


だめだ。
どこにもいない。


すごく、嫌な予感がする。





ひとつ…思いついたことがあった。



ワタシは一番小さい広場にやって来ると、周りに強い結界を張った。

これで、外からはワタシのことは絶対に見えない。

そのまま何時間かすると、いよいよ宮殿が騒がしくなってきた。
みんなでワタシを捜している。



うん…
いつも通り…


いつも通り、ワタシのことは誰も見つけられない…


そう。いつも通り。


いつも通りだろ…?


来るよな…?ザント…?
ワタシを捜しに来るだろ…?


まっすぐワタシのところに来るだろ…?
いつも通りワタシを見つけるだろ…?


オマエだけが、ワタシを見つけられるんだ…

オマエだけが、ワタシを見つけてくれるんだ…


なぁ…


ザント…


来いよ……


ワタシを見つけろよ…


ザント…







ザントは…


…来なかった。



あぁ、アイツ、いないんだな。
どっか行っちゃったんだな。



お父様が大臣達に聞いてくれた。
ザントはすっっごい遠くの神殿に急ぎで呼び出されて、すぐに出向いたらしい。
なんでも影の魔術に関することだから、ザントじゃないといけないんだって。



何だよ…



ワタシとの授業はどうなるんだよ…



挨拶もなしかよ…



『もういい』
 


あんな別れ方したまんま…




何でだよ ザント



何でオマエは いっつも一人で



行っちゃうんだよ





あほ…





ていうね(白目)
ちょっと番外的な回です。
ミドナから見た、ザントの姿。
本や研究ばっかりで気が利かない男。
だけど、不器用なりにミドナのことを考えている的な、
そういうやつ!!!!!!!!!!!!!!!(ザンミド厨のたわ言)

小さい頃のミドナは自分では気づいてないけど、
ザントのことが好きだといいと思います!!!!(ザンミド厨のたわ言)
幼いので別に恋心とかそういうのじゃないのだけど、
まぁアレです、
小さい女の子が正月にしか来ない親戚のオニーサンを好きだとか
そういうヤツです!!!!!!!!!!!!(?????????)

ザントが出す幻影を
チョウチョにしようか花にしようか迷ったのですが、
チョウチョにしました。

花だと渡しに行かなければならないので、
ザントは多分そういうことができないと思ったからです。
(自分でそんな感じの絵を描いたことあるくせに)


◆勝手に出した設定や用語の解説
・ザント
読書と研究と考え事ばっかりしている、とっつきにくい男です。
そして常に一人でいます。
書庫にしても広場にしても崖にしても、ザントは一人でいる男。
一人が好きな男です。

・ミドナ
快活な性格なので誰とでも仲良くできますが、
癇癪を起こすと手や足が出るタイプなので
大人には怒られますし、
同年代の子供からはちょっと怖がられてそうです。
仲良くしたいけど一人になっちゃう女の子。

・ザントとミドナ
タイプの違う二人ですが、
ザントとミドナは「一人」という意味をよく知っています。
ザントは一人でいることに別に寂しさは感じませんが、
それがどういうものであるか知っているので、
ミドナのことを励ますことができたのかもしれません。
妄想猛々しい^w^bいえいっ

・幻影
魔術で作られた実体のないもの。
ファントムですね。
ファントムザントなんてものが居ますので、
そういう魔術はあるハズ。
ザントはチョウチョの幻影を作りました。


イエスッ!!そういうわけで
みなさんもザンミド書いてくださいよろしくお願いいたします(死に物狂い)



トワイライト・ファントム0
トワイライト・ファントム1 〜黄昏の小さな姫君〜
トワイライト・ファントム2 〜隠者の庭〜
トワイライト・ファントム3 〜聖者〜
トワイライト・ファントム4 〜潜思〜
トワイライト・ファントム5 〜黄昏の哀歌〜
トワイライト・ファントム6 〜忠誠と反故〜
トワイライト・ファントム6.5 〜後ろ影〜※ここです

トワイライト・ファントム7 〜影と静寂の中で〜
トワイライト・ファントム8 〜塔と腕輪〜
トワイライト・ファントム9 〜禁戒の呪術〜
トワイライト・ファントム10 〜光〜
トワイライト・ファントム11 〜黒の賢者〜
トワイライト・ファントム12 〜残された者たち〜
トワイライト・ファントム12.5

トワイライト・ファントム13 〜再会〜


◆タグ一覧
/トワイライト・ファントム

拍手

5 Comment

無題

私はトワプリを頑張ってクリアしようとしています。
しかしザントが好きで好きで好きすぎて倒せません…///
小説書いてくれたんですね☆
ありがとうございます♪
Re:無題
  • おゆ
  • (2015/02/15 13:38)
小説読んでくださりありがとうございます〜><
ザント戦前でセーブデータをコピーしておくことをおすすめします!
ザント戦はその気になればそれだけで30分以上遊べますので、
いろんなザントのリアクションを楽しみましょう^o^

無題

トワイライトファントム、いつも楽しみにしてます♪
これからも続き期待してます!
ゼルダ無双のザント・ミドナ・真のミドナなどのトワプリキャラって強いですね~!
Re:無題
  • おゆ
  • (2015/04/12 20:30)
読んでくださりありがとうございます*^^*
なかなか思うように進みませんが、頑張ります!!
トワプリ勢使いやすいですねw
そういうところも含めて好きだ!!!!!!!!!!!??!!!!!

無題

はじめまして。随分昔にトワプリを買って、湖底の神殿でとまったまま‥社会人になりw思い出して最近クリアした者です。
ゲームを進めていくうちにザントが大好きになりヽ(;▽;)ノザントについて調べているとこちらに辿り着きました!!トワイライトファントム、すごく面白かったです♡♡ミドナとザントの過去がこんな感じだったらいいなぁと本当に思いました(*^^*)♡これからも続きを影ながら楽しみにしています!
Re:無題
  • おゆ
  • (2015/04/12 20:52)
はじめまして!コメントありがとうございます!
トワプリクリアおめでとうございますw
ザントお好きになりましたか!やった!!!(?)
ザントの魅力は計り知れないですよね…!うおおおう
そして小説読んでくださりありがとうございます><///
ザントとミドナが昔は仲良しだったら本当に嬉しいなぁと思いながら書いてます!
楽しんでいただけてよかったです!*^^*

無題

昔の方がいいな…
昔のザントの方がまともwww
やっぱりギラファイよりザンミドの方が、大人っぽいと言うか何と言うか…orz
Re:無題
  • おゆ
  • (2015/11/15 02:49)
コメントありがとうございます〜!
ネジはずれたザントも好きですが、
まともな方が動かしやすいところはあります。助かってます(?)
ザンミドって大人っぽいですよね、すごくわかります。
ギラファイも好きですが、ザンミドは因縁が明確なのでよりディープなイメージです。

無題

何だか悲しいよーな、わびしいよーな、複雑な気分ですね…。
要するに、ミドナは幼いからまだ分かんないと思うけど、ザントのことが好きだった…←?!
いえ何でもありません!
ザントの力に少しでもなれればと頑張ってるミドナさんも偉いですなー。
偉いな、ザンミド
Re:無題
  • おゆ
  • (2015/11/15 03:14)
コメントありがとうございます!
個人的には、ミドナにとってザントは憧れの存在であってほしいです><
まだ小さいので恋とかではないのですが、
なんやかんやでザントに気を許していてほしいです。
将来的なことを考えればちょっと悲しいですが。。
しかし色んな想像の余地があるザンミド素晴らしい。
偉いな、ザンミド

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