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トワイライト・ファントム4 〜潜思〜

ザントの過去を割と真剣に考えて、
鬼のように捏造した小説っぽい文章の4話目です。
詳しくは、「トワイライト・ファントム0」をご覧ください。

もしご興味があって時間に余裕があればどうぞ。


◆はじめに
・ザント一人称
・物語はミドナが幼い時代からスタート。
 ザントも若くて、いくらかまとも。
・基本ザンミド意識の展開

◆三行あらすじ
ミドナの侍女、出現!
ザント、侍女と食事!一方的な謎の心理戦
侍女の微笑みが素敵!

トワイライト・ファントム4
~潜思~


「えーと…これをこうして——」
昔のザンミド
ニコル殿…
ミドナ様の侍女…

不思議な魅力に溢れた女性…


「——こう…すると…!…おお!」


彼女の笑顔は人を惹きつける…

柔らかく温かで、全てを包み込むような微笑み…

この前の食事の時も、その前の食事の時も、更に前の食事の時も、彼女はいつも清らかな瞳で私のことを見ていた…


「おーいザントー!すごいぞ大発見だ!」


ニコル殿は素敵な女性だと思う。

普通の目で見れば。

しかし…
しかし、いかんせん…


「見てろよ?こーやってやると…、っておい!」

「痛い!!!!」

頭部に急に激痛が走った。
まるで数百頁の魔術書を脳天から落とされたかのような重い痛み。
目がちかちかする…。
何事かと顔を上げるとミドナ様が立っていた。
拳を握り直し、私に不機嫌な視線を向けている。

な…

「殴ることないでしょう!」

「無視すんな!あほ!大発見したんだよ!」

「…!」

ミドナ様の左手には、影のオーブがふわふわと浮かんでいた。

いけない。
一瞬忘れていた。
今は禁術の授業中だ。

今月予定外の2度目となるこの時間、ミドナ様は影のオーブを作る練習をしていた。
前回の授業の時点でほぼ習得していたのだが、もう少し試したいとミドナ様自ら申し出たのだ。

「…申し訳ございません。その、発見とは?」

「くくく、いいか?ちゃーんと見とくんだぞ!」

ミドナ様は左手に浮いた影のオーブを投げ捨てる。
放物線を描いて地に落ちたオーブは、強い衝撃と炸裂音を放って掻き消えた。

「オーブってさ、何かとぶつかるとすぐ破裂するから、手でさわれないよな?」

「ええ」

それはそうだ。
影のオーブは言ってしまえば火のついたバクダン…
いや、バクダンの『爆発』そのものを、無理矢理押さえつけた魔術と言えるだろう。
触れただけでオーブの均衡は乱れ、押さえつけることはできなくなる。
それが衝撃を生むのだ。

「さぁ〜果たしてそれはどーでしょう? 見てろよ?くくくっ!」

ミドナ様は嬉しそうに笑うと、新たなオーブを作り出した。

手慣れたものだな…。
下手すると私よりも作るのが上手いかもしれない。

…?

それどころかミドナ様の作った影のオーブは、前回の授業に比べてひと回り大きくなっている気がする。
ソルに等しいくらいか…。
私が作るオーブもこんな大きさにはならない。

一体何故だろう…
実に興味深い…。

オーブが大きくなる条件があるとすれば何だ?
可能性としては、魔力に比例している線が濃厚だ。
ほとんどの魔術は、魔力が高ければ高いほど強力になる。
しかしオーブに関しては少し違う。
魔力が高ければいいというわけではない。
爆発のエネルギーを凝縮する魔力、そしてそれを押さえつける、更に高い魔力…
この2種類の魔力を同時に使い分ける技術を強いられる。
100の魔力を使うとしたら、凝縮が40、押さえつけるのが60くらいの割合となるはずだが…
もしかしてそれは、ただの固定概念に過ぎなかったのでは?
魔力のエネルギー分配…このバランスがそもそも疑問だったのだ。
あまりに無駄が多すぎる…。
ふむ、そうか、もしかすると…。
わかってきたぞ…色々と見えてきた。
自室に戻ったら仮説をまとめよう。
ミドナ様の大発見?といい、影のオーブは想像以上に奥が深そうだ。

それにしても…
魔力の無駄を減らし、消費を抑え、威力を向上させる…。
ミドナ様はこのことに無意識に気がついたというのだろうか…?
魔力をこれだけ精密にコントロールするのは至難の業だというのに…。

あぁ、素晴らしい…。

私が日々行っている影の魔術の研究は、ミドナ様のおかげで随分と捗っている。
ミドナ様との授業を通して、これまでいくつも新たな発見があった。

私にとって魔術を研究し解明することは、何ものにも代え難い喜びなのだ…。
心は満たされ…脳髄は刺激を受け…魂は歓喜する…。

ミドナ様…あなたは本当に…

「あほ野郎!」

「痛い痛い!!!!!!」

スネを蹴られ腹を殴られた。




「も、申し訳ございませんでしたミドナ様っ!!」

「うっさい!もうオマエには絶っ対教えないからな!!」

「そ、そんなこと言わずに…」

「やかましい!姫であるワタシを立て続けに無視して、首ハネられないだけマシだと思いやがれ!!」

「あああ…殺生な」

私は何度も頭を下げ徹底的に謝罪をしたのだが、ミドナ様は今にも噛み付きそうな顔で私を睨みつけるだけだった。
こうなってしまってはどうしようもない。
へそを曲げたミドナ様には、もう何を言っても無駄だろう。

あぁ…せっかく研究心に火がついたというのに…。
まぁ確かに、ミドナ様を放ったらかしにしてしまった私が悪いのだが…


「…あのさ」

「ひっ」

ミドナ様の声に思わず体がビクリと震える。
正座する私の前で仁王立ちしているミドナ様は、少し困惑した表情を浮かべていた。

「オマエ、何か変だぞ」

「え…あ…も、申し訳ございません。ついオーブについて考え込んでしまい…」

「んー、そうじゃなくてなー…」

ミドナ様は頭を掻き、どう説明しようか悩んでいるのか、唸り声をあげている。

今さっきの件でなければ、一体何の話だというのか。
…私は変、ではない。
そう、変ではない。


「うーんとな」

ミドナ様は眉をひそめながら、ようやく口を開いた。

「最近のオマエが変だよ。何だかずーっと考え込んじゃってさ」

「!」

「前のこの授業の日からかな、その日からずっとだよ」


…前回の禁術の授業の日…


「何かあったのか?」


あぁ、そうだ、あの日は確か…
ニコル殿と初めてまともに言葉を交わした日…


「うーん、何かしたか?ワタシ」



「いえ…ミドナ様は何も…」

私がそのまま黙り込んでしまうと、ミドナ様はまた腕を組んで、考え事を始めた。
長い沈黙の時間がただただ過ぎていく…。

「あ、そういや」

ミドナ様は何か思い出したのか、ハッとして顔を上げた。

「オマエ、ニコルと飯食べたんだってな」

「!!」

「ニコルがえらい嬉しそーに話してたからさ。その後も何回か行ってるみたいだけど、確かあの日からだろ?」



『私…すごく嬉しかったです…』



ニコル殿…

あの日の微笑みが脳裏に浮かぶ。
私にだけ向けられた、穏やかな笑顔…

ニコル殿は魅力的な女性だ…


しかし…
しかし彼女は…

「何だ?もしかして…ホレたか?ニコルに?」

「!!!」

ミドナ様は腰に手を当て覗き込むようにこちらの様子を伺うと、にやりと笑った。

「…いえ…」

「ダメだぞー!ニコルと付き合いたいんだったらまずはワタシを通せよな!」

「…そんなことは」

「あんないいヤツ他にいないんだからな、それなりの関門は覚悟して」

「そんなことではありません!!」

私が大声で遮ると、ミドナ様は驚いて肩をすくませた。

いけない。
声を張りすぎてしまった。
落ち着け…落ち着け……。

「…失礼いたしました」

「ん…」

「…」

どこか気まずい、湿ったような静寂が辺りを包んだ。


……ニコル殿…
ニコル殿と初めて食事をしたあの日…
私は気づいたことがあった。

それは…
彼女はとても魔力が低いということ。

もちろん、私と比べてではあるのだが…
それにしても、その魔力の低さは…


私がかねてより危惧していた『影の一族の危機』と、本気で向き合う十分な理由となった。


ふと顔を上げると、ミドナ様は心配そうに首を傾げて私を見ていた。
どんなに磨かれた鏡よりも澄んだ、赤く美しい瞳…
ミドナ様のその瞳に、私は不思議な安心感を覚えた。


…ミドナ様…
ミドナ様になら、話せる…

他の誰にも話せない。
…話したところで本気になどするわけがない…認めるわけがないのだ…


しかしミドナ様は…
私と同じ『義務』を持つ者…


「ミドナ様…」

「ん…?」


…どうか、お聞きください…
私の感じる全てを…『影の一族の危機』を…


「…私の話を聞いていただけますか」

「!…あぁ、いいよ」


ミドナ様はこくりと頷いた。


ていうね(白目)
やっぱりザントとミドナの会話だけ書ければ満足だった…!!!
ゼルダ無双で、ザントがダメージを多く受けてる時のセリフに
「い、痛い痛いーーー!!」
みたいなセリフがあって、何て可愛いんだろうと思ったので、
「痛い」と言わせたかったという回です!?
というのは本音で、
建前はザントが何だか思い悩んでいるようですよという回でした!?
うん。

ザントの考える 『影の一族の危機』とは何なのか、
次回書いていこうと思っております。
ちょっと核心に迫るような話になるので、
どうしてもシリアスなムードになってしまうと思いますが
よろしくお願いします(何を)

◆勝手に出した用語・設定などの解説
・ザントと魔術
ザントは魔術の研究に非常に熱心という設定です。
影の魔術には誰でも使えるような基本魔術から
専門的で高度な魔術まで、多種多様にあると考えます。
ザントはあらゆる魔術を研究するのが大好きで、
それが仕事でもあり趣味でもあります。
ミドナの教育係に抜擢されたのも、禁術について詳しいのも、
その経緯によるものという感じです。
研究となるとのめり込んでしまい、
ハマるとずーっと考え事してしまうタイプとかいう妄想()

・影のオーブその2
影のオーブとは、ゼルダ無双におけるザントとミドナの必殺技に
私が勝手に名前をつけたものです。
大きな黒い球体をぶつけるという技ですが、
ザントとミドナでこの球体のぶつけ方に違いがあります。
ミドナはトスからのレシーブみたいに投げつけますが、
ザントは浮かせて落とす感じです。
その理由を無理矢理考えてみたのが今回の冒頭部分です。
要は、ミドナはオーブに触る方法を見つけたけど、
ザントに教えなかったみたいな感じ(ひどい)
何年たっても、ザントはとうとう触る方法を
見つけることができなかったのでした\(^o^)/

・ニコルその2
ニコルはミドナと最も仲のいい侍女です。オリジナルキャラ。
ザントはニコルに対し恋心とまではいかないのですが、
魅力を感じている節があります。
が、「魔力が低い」という点がどうにも気になる様子。

・私は変ではない
ザントは変です


そんなこんなで
みなさんもザントとかザンミドとか描きましょうね(超必死)

トワイライト・ファントム0
トワイライト・ファントム1 〜黄昏の小さな姫君〜
トワイライト・ファントム2 〜隠者の庭〜
トワイライト・ファントム3 〜聖者〜
トワイライト・ファントム4 〜潜思〜※ここです
トワイライト・ファントム5 〜黄昏の哀歌〜
トワイライト・ファントム6 〜忠誠と反故〜
トワイライト・ファントム6.5 〜後ろ影〜

トワイライト・ファントム7 〜影と静寂の中で〜
トワイライト・ファントム8 〜塔と腕輪〜
トワイライト・ファントム9 〜禁戒の呪術〜
トワイライト・ファントム10 〜光〜
トワイライト・ファントム11 〜黒の賢者〜
トワイライト・ファントム12 〜残された者たち〜
トワイライト・ファントム12.5

トワイライト・ファントム13 〜再会〜


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/トワイライト・ファントム

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